諏訪に関する阿部知事の考え
諏訪の皆さんと阿部知事とお話ししました。
長野県の阿部知事が県下各地域の方々と意見交換をする会(移動知事室)
の諏訪のタウンミーティングと懇親会に参加しました。
世界中を自転車で回られた小口良平さんからは
「イスラム圏だったらありえない格好で来たね笑」と言われてしまうように、
ポロシャツ短パンランシューで浮いてしまったことはさておき、学びと出会いの多い刺激的な日になりました。
当日の内容と感じたことを共有します。
(念のため阿部知事に投稿の許可をもらっています)
〈1〉印象に残った話
〈2〉タウンミーティングの内容と知事との意見交換
〈3〉懇親会にて
〈1〉印象に残った話
①諏訪地域振興局 酒井裕子局長の「諏訪コーディネーター宣言」
・阿部知事が「酒井局長、地域の意見や若者のアイディアを実現するためにどうするか、考えを聞かせて欲しい」
と酒井局長に話を振られた。
・酒井局長からは
a.「諏訪6市町村の垣根を超えた活動をするとき、まとめるのは我々の役割。
なんでもわかるスーパーマンのようなコーディネーターはいないが、意見を収集し、誰に相談すべきかをお伝えすることができる。
また、市町村にそれぞれに声をかける必要があれば、それも行うことができる。」
b.「これまで地域振興局は許認可など『できる、できない』のジャッジがメインだったが、『どうしたらできるのか』を考える組織にしていく」
とのご発言があった。
ということで、何かあれば地域振興局へGO!
私も色々と相談(雑談)させてもらっていますが、とても親切丁寧に対応してくださります。
②阿部知事の「その通りだと思う。すぐに対応します。」
・県のHPで規制緩和のアイディアを募集していることに対し、
私が阿部知事に「担当者に問い合わせたところ『アイディアを受け付けますが、提案したアイディアに対してフィードバックはしません』とのことでした。アイディアを募集するからには、できるできない、どこと進めているなど、進捗状況のフィードバックが必要だと思います。」
と伝えた。
・阿部知事から「その通りだと思う。すぐに対応します。」との発言があり、
その後、県の総合政策課の方から「意見ありがとうございます。個別の連絡は難しいですが、HP上で進捗状況報告をするように変更します」
とのお話をいただいた。
これぞトップダウンのスピーディな対応。
「こんなこと言ったら失礼かな」「職員の仕事が増えて嫌がられるかな」
とも思ったけど、言ってみるもんだ。
県の職員の方は、本当に対応が早い。
「『一人多役』の冊子がほしい。」と言ったときも
「『しあわせ信州創造プラン』の冊子がほしい。」と言ったときも
翌日に届いた。
(プリンターがないものでいつもすみません)
③阿部知事「地産地消より"地消地産"」
・「地域で作ったものを、地域で消費する」のが「地産地消」
・「地域で消費しているものは、地域で生産できるようにしよう」というのが「地消地産」
プロダクトアウト(作ったものを売る)とマーケットイン(消費者が望むものを作る)
との違いに似ているな、なるほどな、と思った。
〈2〉タウンミーティングの内容と知事との意見交換
タウンミーティングには19歳から39歳の26名が参加し、4つのグループでワーキングをして意見をまとめ発表し、知事と意見交換を行った。
【グループの発表】
Aグループ
「OLAHO の いーばしょ」
~高校生が地域になじめる居場所、若者のアイディアを実現する仕組み~
Bグループ
「子育て世代の幸せのために、上司の意識を変える」
~制度があっても運用できない原因の一つである上司の考えを変える施策~
Cグループ
「エネルギーの民主化は長野県から」
~エネルギーの地産地消~
Dグループ
「諏訪合衆国」
~行政の垣根を超え、前例がなくても新しいことができる、生まれるまち~
【知事のご意見】
①A、Dグループに対し
(先ほどの酒井局長の「諏訪コーディネーター宣言」につながります)
②Bグループに対し
・上司の問題以外に、「従業員が少なくて休ませたくても休ませられない」「その人が抜けたら仕事が回らなくなる」といった中小企業の悩みもある。
・一方で、新しい働き方にチャレンジしている組織がある。
・長野県庁、諏訪市のリビルディングセンタージャパン、茅野市のファナックなど。
・まずはそういった組織の取り組みを顕在化させていく必要があると考えている。
③Cグループに対し
・石油エネルギーは究極の集権システムであり、首相が動いてもコントロールできない。
・長野県は大規模水力発電設備があり、理論値では自県に必要な電力の8割以上を賄うことができる。
これを100%に持っていくことができると考えている。
・必要なエネルギーは自分たちで作る、これも「地消地産」。
④Dグループに対し
・長野県は合併が進んでいない。村の数が最も多い。
・国、県が合併に動くタイミングのときだけ話し合うのではなく、常に話し合う必要がある。
・小さな市町村の独立完結だが、それがベストか。効率的なのか、住民が求めているか。
・交付税の基準としているのは人口10万人の都市。国の制度設計の基準と合わないため、
現場の負担が増えてしまっているのが現状。
・「どの分野なら諏訪が一体となれるか」を具体化してほしい。
〈3〉懇親会にて
私は何も成果を出せていませんし、解決策も持っていませんが、諏訪ガイドサイクリングなど、諏訪地域全体を生かした取り組みを進めているということで、お誘いいただきました。
(実績も服装も場違いでした、、)
懇親会では、主に諏訪湖エリアの各団体の長や有識者が集まっており、
「これから諏訪湖をどうしていくか」をテーマに意見交換をしました。
・まず諏訪湖の現状について、感覚値としてどう思うかをそれぞれが共有し、
「以前よりは綺麗になってきているけれど、目標には至っていない」
という共通認識を確認しました。
・その後、水の入れ替えや、浚渫(泥を取り除く)、釜口水門の改修、水草の除去、
諏訪湖に関心を持つイベントの実施など、様々な意見が交わされました。
・住民目線、漁業目線、生物目線、観光目線など、どの視点をベースにするかで、やることは変わってきます。
なので「あちらを立てれば、こちらが立たず」という二律背反的な状況です。
・この状態だと行政任せでは進めることは難しく、民間事業者が利害関係を乗り越えた歩み寄りをする必要があるとのことでした。(まずは話し合いの場づくりから)
・観光業と地域活動が主体の私としては、
「せめて、諏訪湖を見ながらソフトクリームを食べているときに、コイの死骸の悪臭が
漂う状況は、何とかしたい」
と伝えました。
それは一部分の水の循環を改善すれば解決します。
・それらを踏まえ、
「長期的かつ諏訪湖全体の話と、短期的かつ局所的な対応の話は別で進める必要がありますね」
ということを、知事が仰っていました。
色んな人の意見を聞き、構造化したり、概念化したり、そういうことが
とても上手い方だなぁと思いました。
○阿部知事が最後に「諏訪湖に関して、これはやらないといけないな」とまとめた内容
・釜口水門の改修?(どこをどうするか理解できず記載できませんすみません)
・諏訪湖の水位を下げ、現状調査。
・局所的な応急対応はスピーディに。
・一般家庭の農薬問題の現状調査(強い除草剤などによる自然被害、健康被害)
・水辺の緑化
・諏訪湖を楽しめる場づくり(河川法の改正により水質に影響がなければ建設可能)
・浚渫(泥を取り除く)のあり方を検討
・諏訪湖研究センターの開設(諏訪湖だけでなく、広域の研究センターを想定)
以上です。
こういった機会や、SHIP(信州イノベーションプロジェクト)、県政出前講座など、どんどん参加していこうと思いました。